SAKURAnoTUBOMIの日記

鬱病を経て、息子との不登校生活も経て、日々感じ、学び、感謝。 

ヒグラシの抜け殻

ここ数日間、久しぶりの晴れ間もあり、その陽射しを受けて静かにセミの声が聞こえる。

 

ヒグラシの「カナカナカナカナ…」という切ない鳴き声が好き。早朝や夕方の涼しい時間帯に鳴くその声が、より涼しくしてくれる。特に夕方に聞くと、胸がキュンと苦しくなる。それが心地良かったりもする。

庭に出たらあちらこちらにヒグラシの抜け殻があった。
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おっと、こんなお洒落な所で朝を迎えたのね。ちょうど朝日が最初に当たる場所。見事成虫になれたかな、なれたなら、どんなに素敵な朝だったか…と思いを馳せる。

 

小学生の頃、夏のまだ薄暗い早朝に庭に出て、セミの幼虫が葉の裏にくっついてるのを見つけて、背中が割れ始めるところからずーっと観察していたことがあった。初めて見る光景に感動して、長時間動かずにいても苦ではなかった。

その後も何度かセミの幼虫が奮闘する瞬間を見守ってきたが、失敗してしまうこともあって、自然の摂理だから悲しいけど何もしてあげられないことが多い。

ある日、朝日が昇ってしまっているのにまだ地面を歩いている幼虫がいた。アリに見つかってしまった。私はアリを払って幼虫をすくい上げて助けた。その後、網戸で羽化を始めたが、やはりそういう子は弱いらしく、上手く羽根が伸びなかったり、足の力が弱かったりした。少し飛び方が下手な子だったけど、飛べそうだったので外に飛ばした。弱そうだから心配だった。

 

外にはたくさん天敵がいる。鳥も狙ってるし、以前驚いたのは、オニヤンマがセミを捕まえたまま抱えて飛び回っていた。抱えられたセミジージー鳴いてまだ生きていた。

セミからしたらもう絶望的。オニヤンマからしたら大物GETしてご機嫌。

自然の営みとその厳しさを目の当たりにして、言葉を失う。

そんなことが、気づかぬ内に身の回りで起きてる。小さな生き物だけど、私よりも必死に生きようとしてると思うと、立派だなと感じる。

長い土中生活の末に、無事に陽の光を浴びて羽根を輝かせることができたセミは、一握りしかいないのかもしれない。失敗してしまったセミも成功したセミも、皆いろいろなドラマがあって、一生懸命力を尽くしてる。

 

見習わないとね…