今週のお題「わたしの好きな色」
幼い頃、花にすごく興味があったわけでもないけど、庭に咲いた小さな青い花を見て、とてつもない感動を覚えた。幼心に響いたその色は、美しいブルーなのだけれど、ただのブルーではなく、花の中心に近づくにつれて赤紫色へとグラデーションが素晴らしかった。ハッキリとしたブルーから赤みのある紫色へという強烈な色の変化に、幼い私はすっかり魅了されていた。
大人になり母に名前を聞いていたはずが、すっかり忘れてしまった。今は実家の庭を見てもあの色の花が見られない。
大人になってから、ガーデニングを好きになり、ぜひあの花を…と思い、母に一生懸命花の説明をして尋ねたが、母も記憶が曖昧で、そんな花があったことすら微妙になっていた。記憶を頼りに花の売り場を探し回るが、なかなかない。葉の雰囲気は何となくでしか記憶にないが、花の形としては、アメリカンブルーが似ていた。でも違う!こういうブルーではない!!花ももう少し厚みがあるような感じで、ブルーももう少し濃厚な色だった。本屋さんでも必死に探したが、図鑑にもガーデニングの本にもその花はなかった。
私は今でもずっとあの色の感動が忘れられない。今まで見てきた花も美しいが、あの時以来、色で感動することはなかった。特別ブルーが好きだったとかいうわけでもなかったが、幼心にドーンと響いたあの感動をもう一度味わいたい。
いつかまた出会えたらなぁ。